どれくらいで組むべき?不動産投資融資の期間
不動産投資の魅力は「レバレッジ効果」でより大きな収益が得られるという点にあります。
レバレッジ効果とは、金融機関などから融資を受けて不動産投資を行うことで、自己資金では運用できないような物件が運営管理できる効果のことです。自己資金だけの投資では得られないような大きな収益の可能性があります。
ただし、不動産投資の場合は融資を返済する期間がポイントになります。今回は、不動産投資の融資の返済期間について解説していきます。
不動産融資の返済期間は物件の法定耐用年数で決まる
法定耐用年数が融資の返済期間を決める理由
物件の法定耐用年数は、国税庁が決めています。
例えば鉄筋コンクリート造のマンションの場合で法定耐用年数は47年となっています。法定耐用年数は建物の構造や材質によって税法上決められている物件の資産価値を表すもので、鉄筋コンクリート造の場合は47年経つと建物自体の資産価値がなくなることになります。
ただし、耐用年数がイコール物件の寿命ということではありません。大切にメンテナンスを行っているマンションの中には100年以上住み続けているものもあります。
資産としての価値がなくなったからといって、家賃収入が得られなくなるというわけではないので、融資の返済が終わっている分、利益が大きくなる可能性があります。
資産価値がゼロになる47年以内、実際には30年というのが融資の返済期間の最長とされています。なぜかというと、金融機関は物件に抵当権を設定しているからです。
融資額が返済されない場合は、抵当権のある物件を売却して、残債務の返済にあてなくてはなりません。
しかし耐用年数に近づくにつれて、資産価値がゼロに近づくため、返済期限を早める必要があります。そのため、法定耐用年数は返済期間を決める大きな決め手となります。
物件別に見た不動産融資の返済期間
木造アパート
木造アパートの耐用年数は22年と決められています。融資の返済期間は最長でも22年以内というのが一般的です。
鉄骨造マンション
鉄骨造の場合は、軽量鉄骨造の場合で27年、重量鉄骨造の場合で34年という耐用年数が定められています。
耐用年数は融資の返済期間ではなく、実際にはそれよりも短く設定されます。金融機関では、物件の資産価値が残債務を下回らないように返済期間を設定しています。
鉄筋コンクリート造のマンション
鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。実際には法定耐用年数いっぱいまで返済期間を設定することはありません。長い場合でも30年以内に返済が終わるように金融機関の方で期限を設けています。
先述しましたが、47年経過すると建物の資産としての価値がゼロになります。銀行は債務不履行の場合にそなえて、物件に抵当権を設定しているので、物件の資産価値が残債務を下回らないように返済期限を決めています。
中古物件の融資期間はどうなる?
中古物件の耐用年数の計算式
ここまでは新築物件の場合で法定耐用年数や融資の返済期間について解説してきました。では、中古物件の場合はどうなるのでしょうか。例えば築10年の鉄筋コンクリート造の物件でしたら、47年-10年で法定耐用年数があと37年残されています。
この場合の残存耐用年数を割り出す計算式は
①法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数
47年-10年=37年
②経過年数10年の20%に相当する年数
10年×20%=2年
③残存耐用年数
37年+2年=39年
法定耐用年数を完全にオーバーしている物件の場合は
法定耐用年数×20%=残存耐用年数
法定耐用年数47年の物件の場合は
47×0.2=9.4
残存耐用年数は約9年5カ月ということになります。
実際には上記で割り出した残存耐用年数よりも融資期間は短く設定されます。
まとめ
今回は、不動産投資における物件別の法定耐用年数と融資を返済する期間について解説してきました。
法定耐用年数はあくまでも国税庁が決めた税法上の資産価値です。資産価値がゼロになったからといって物件が寿命を迎えるわけではありません。木造建築も鉄筋コンクリート造にしても何百年も大切に使い続けているケースがたくさんあります。法隆寺の五重塔はその良い例です。むしろ融資の返済が終わってからが稼ぎ時だと思った方が良いでしょう。