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物価はいつまで上がる?オリンピック前に売却するのが本当にベストか 〜投資用マンションのベストな売り時〜

日本の不動産相場が上昇しているなか、東京オリンピック前に投資用マンションは売却するのが得策です。すでに世界経済は減速傾向にあり、さらに少子高齢化による不動産需要の減少が予測されるのが理由です。

投資用マンションは売り時である理由

東京の不動産価格の推移はどうか

投資用マンションの出口戦略(売却するのか否かの選択を考えること)として、いつ売却すれば利益確保を最大化できるかが課題となります。東京オリンピックに向けて都心のマンションは上昇を続けていますが、この流れに乗って保有を続けるのか、それとも売却するのか悩ましい問題かもしれません。

まずは実際に東京の不動産価格はどのように推移しているのかを見てみましょう。

2017年の第一四半期(Q1)から2019年第一四半期(Q1)までの前年同期比変動率は以下のとおりです(単位は%)。

2017年

  • Q1 −1.00
  • Q2 0.67
  • Q3 2.14
  • Q4 2.51

2019年

  • Q1 0.33

あくまでも前年同期比なので単純に動向の分析にはなりませんが、変動幅は確実に減少しています。過去10年間・5年間・1年間の上昇率はそれぞれ28.15%・29.85%・4.62%です。

東京の不動産価格推移

世界経済は後退期に

2018年から世界経済はリセッション(景気後退)に入ったと言われます。

景気動向の判断に金利の推移が参考になりますが、日本は長く低金利政策を続けており、ここから脱する機会を見出せずにいます。一方でインフレ抑制の金利引き上げを続けてきたアメリカも、2019年は追加利上げを見送る発表をしました。これはアメリカ経済の現状判断を下方修正したのが理由です。

さらに欧州中央銀行も2019年3月27日に政策金利の引き上げは年内据え置き、引き上げは先送りすることを発表しています。

これらはみな、経済成長の減速を見据えた判断と考えることができます。そして不動産価格も経済動向の影響を強く受けるので、地合いとしては値上がり余力は少ないとみてよいでしょう。

国内不動産投資額も減少傾向が明白に

不動産市場動向は減少を示す

不動産市場動向を調査しているCBREは、2018年第3四半期のデータを次のように公表しています。

  • 事業用不動産投資額は5,920億円
  • 対前年同期比で25%減少
  • J-REITの投資額は前年を上回るものの、国内・海外投資額の投資額は前年を下回る

さらに、東京の期待利回りはオフィス(大手町)と商業施設(銀座中央通り)が低下しているようです。東京以外の都市のオフィス期待利回りは、4都市(仙台、名古屋、大阪、福岡)ですでに低下し、そのうち大阪を除く3都市が調査開始以来の最低値を更新しました。

このように国内不動産投資の需要は明らかに減速していることがわかります。

賃貸マンションは供給過多に

また野村総合研究の「日本の不動産投資市場2018」における発表では、賃貸マンションの供給数は全住宅戸数の増加率を上回る水準で推移しているとしています。さらに2015年から神奈川県で空室率が上昇、2016年度末からは東京でも空室率が上昇し、賃貸水準も低下傾向にあるようです。

一方で都心3区と東京23区での投資不動産の稼働率はまだ高く推移しているとしています。ただし、名古屋・福岡ではすでに頭打ち状態となっています。

以上から、投資用不動産は今が売り時であると判断できます。投資用不動産は利回りが確保されて需要があるうちに売却するのが鉄則だからです。

不動産の売却は需要があるうちに

データではすでに不動産価格は下落に向かうことを示しています。ただし東京オリンピックに向けて、投資用物件の需要はまだあるので、そのうちに売却しておくのが得策といえます。

東京の不動産相場は海外不動産と比較すると

まだ割安との意見もあります。確かにシンガポールや香港などと比較すると、東京の物件価格自体はまだまだ割安です。

しかし不動産価格はあくまでも需要と供給のバランスによって決まりますし、日本と海外とではその背景が違います。

たとえばシンガポールは富裕層を中心として節税目的の移住者希望者が多く、政府はその制限をしています。対して日本は不動産を購入するような富裕層の移住者は多くありませんし、人口も減少に転じています。また少子高齢化により、不動産需要は今後減少することは明白です。つまり、海外と比べて割安とはいっても、価格が上昇するような要素はないということです。

また政府が空き家対策を講じていることからわかるように、賃貸需要も減少しているので賃料上昇も見込めません。不動産価格だけが上昇しても、利回りは低下するので投資対象としての魅力はないといえます。

日本の不動産単価と利回り

香港の不動産単価と利回り

シンガポールの不動産単価と利回り

世界不動産利回り

まとめ

日本の投資用マンションは今後、価格上昇の余地は少ないと判断できます。東京オリンピックに向けて投資家の需要があるうちに、売却するのが得策といえるでしょう。となれば、東京オリンピックの前に売却しておくのがおすすめといえます。