不動産投資で儲かった資産をいかにして多く手元に残していくか。不動産投資家の方はどなたでもそのことを考えるのではないでしょうか。
今回は節税に効果的な不動産一棟買いのメリットについて、都心と京都で物件運用を実際に手がけている不動産投資家目線で解説していきます。
なぜ一棟買いが節税に有効か
どうして不動産一棟買いが節税対策に有効なのでしょうか。それは物件購入にかかった費用を一定期間にわたって費用分配できる会計手続き「減価償却費」が活用できるからです。
また定期的な大規模修理のために毎年積み立てる「修繕積立金」も経費として計上できます。
「減価償却費」と「修繕積立金」は、法人だけでなく個人事業主の方も税金コントロールを可能とする大きな割合を占めています。
減価償却費
減価償却費とは、不動産投資にかかった費用を法定耐用年数で割って、毎年費用配分する会計手続き制度です。実際には出費をしていないのに費用配分した減価償却費が毎年経費(損金)として計上できます。
一棟買いの場合は、購入額を法定耐用年数で割り費用配分して減価償却費として毎年経費に計上できます。例えば、建物価格2000万円の木造アパートの場合でしたら、法定耐用年数が22年なので毎年91万円の減価償却費が経費として計上できます。毎年91万円が課税所得から差し引けるわけです。
中古物件の場合はさらに減価償却期間が短くなるので、短期間で゙減価償却費を計上できます。
中古物件の法定耐用年数以内の築年数の場合は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%=耐用年数」の計算式で割り出せます。例えば、築10年の木造アパートの減価償却期間は「(法定耐用年数22年-経過年数10年)+経過年数10年×20%=減価償却期間14年」です。むこう14年間、減価償却費が毎年計上できます。
中古物件で法定耐用年数をオーバーしている場合の減価償却期間の計算式は「法定耐用年数×20%=中古物件の減価償却期間」です。例えば築22年以上経つ中古物件の木造アパートの場合は「22年×0.2=4.4」となり減価償却期間は4年になります。購入額を4年間で配分して減価償却費の計上が行えます。
修繕積立金
修繕積立金は、アパートやマンションの共有部分を定期的に大規模修繕するために毎年積み立てる費用です。経費として計上できるため大きな節税対策になります。
国税庁は「積立てのみで修繕が行われていない場合は、原則として毎年の必要経費として算入されない」としています。しかし、現実には修繕積立金として管理組合に納付することが義務化されている場合が多く、毎年適正に支払われている修繕積立金については毎年経費として計上することを認めています。
一棟買いは新築よりも中古物件がオススメ?
節税対策を考える上で新築と中古のどちらの方がメリットがあるのでしょうか。
先ほど少し触れましたが、中古物件の方が゙減価償却費を計上する減価償却期間が短くなります。
短期間で償却が可能になるため、所得税の圧縮に効果を発揮します。特に法定耐用年数をオーバーした木造アパートや軽量鉄骨造アパート、マンションがオススメです。
法定耐用年数をオーバーした木造アパートの減価償却期間は4年、軽量鉄骨造の減価償却期間は5年。新築物件よりも短い期間で゙減価償却費を計上できます。
ただし、減価償却費を計上できるのは建物価格のみです。売主には土地と建物価格の合計額が渡るので、交渉次第では建物価格を高く設定して購入することが可能です。固定資産税評価額による按分は、土地と建物価格を契約書に明記していない場合に客観的な目安として採用されます。必ずしも固定資産税評価額で取引しなくてはいけないという決まりはありません。
まとめ
プロ目線からみて、節税対策のためには一棟買いの方がメリットが大きいという内容でお届けしました。
節税対策のポイントになるのは「減価償却費」と「修繕積立金」です。特に「減価償却費」は実際には出費がないのに損金として経費計上できるという性質があります。
税法におけるさまざまな特例をうまく利用して、不動産投資で得た資産をできるだけ手元に残すようにしてください。
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