リスクを抑えたい!マンション経営で分散投資するメリットとデメリット

リスクの分散が必要なのはマンション経営に限ったことではありません。競馬でも会社経営でもなんでも収益につながる投資は分散させておく必要があります。リスクの分散、専門用語で「アセットアロケーション」。今回は、分散して行う不動産投資のメリット、デメリットを交えながらわかりやすく解説します。

マンション経営で分散投資するメリットとデメリット

分散投資するメリット

リスクを分散させるために投資を分散させて行うメリットとしてまず挙げられるのは、一つの物件から収益が得られなくても、片方の物件が収益を出して損害を穴埋めしてくれる可能性が高まるという点です。

両方とも高い収益を出せるならそれに越したことはありませんが、収益が悪かった場合のリスクヘッジを最優先すべきでしょう。

分散投資するデメリット

投資を分散させることのデメリットとしては、資金を分散させているため収益の良い物件に集中させていたら得られるはずの利益が得られないという点にあります。

たとえるなら、競馬で1点買いして大儲けするか、分散させて馬券を購入し、そこそこ安全な方法で利益を出すかの違いです。

分散投資の中に稼ぎ頭を作る

ただ単に投資を分散させれば良いということではありません。その中に必ず稼ぎ頭が必要です。会社経営とよく似ています。ある部門は今は赤字を出しているけれど、将来は黒字に転じて稼ぎ頭になるはずだ。逆に今は順調に行っている稼ぎ頭も、いつか下火になるかもしれない。

良い企業は、新しい事業を次々に生み出して、分散させながら稼ぎ頭となる事業が途絶えないように対策を行っています。

マンション経営などの不動産投資も、条件の異なるいくつかの物件を常に保有して、リスクを分散させておくことが大切です。1室からでもはじめられる区分マンションは投資の分散に最も適しています。金融機関のローンが利用できるので、少ない資本で投資が行えるという点もメリットの一つです。

さまざまな条件でリスクを分散させておく

立地条件によるリスクの分散

ここは絶対に良い立地だと想定していたにもかかわらず、なぜか空室が多くなってしまうケースや、逆に予想外に空室率が低くくて収益物件になったケースがあります。必ずしも良いと思った物件が収益を出すとは限りません。

たとえば、都心部臨海エリアには中古のワンルームマンションがたくさんあります。オリンピックを控えて注目があつまり、物件価格が上昇しています。逆に多摩丘陵などの内陸部では、大学のキャンパスがだくさん進出してきているわりに、物件価格が安定して推移しています。

臨海エリアと丘陵地の2つに物件を分散させておくとしましょう。最初は良かった臨海エリアの物件が数年後には空室が増え、一方で多摩丘陵の物件は毎年学生が入居して安定した運営ができるかもしれません。もしかしたら片方だけでなく、双方ともに順調に収益を出し続けているかもしれません。

立地条件を分散させておくことはリスクの分散になります。どちらか一方がうまくいかなかったとき、もう片方が利益を出して損失の穴埋めをしてくれます。

2つの物件が同じエリアにあったとしたらどうでしょうか。立地条件によるリスクを避けられず、2つともダメになってしまう可能性があります。

優れた立地条件はさまざまです。単身者が多くて人気の高い都心部、学生が多いエリア、それぞれのメリットを組合わせて、分散効果を最大に発揮させることが重要です。

投資時期によるリスクの分散

投資する時期を分散させてリスクを回避する方法もあります。たとえば、現在のタイムリーな話題は東京オリンピック・パラリンピックの開催です。オリンピック開催前と後では物件価格がどのように変化するのか誰にも想定できません。投資する時期をオリンピック開催前と後の2つの時期に分散させることでリスク回避につながるかもしれません。

消費増税前後のタイミングでもリスク分散が可能でしょう。ただし、好条件で確実に価格がこれから上昇しそうな物件に関しては、分散させずに集中的に投資するという方法も選択肢の一つです。

返済計画によるリスクの分散

返済計画を分散させておくこともリスク対策になります。たとえば2つの物件に投資する際、片方は20年ローンを組み、もう片方は30年ローンだとしましょう。この場合、20年後に1つの物件の返済が完了するので、その物件の家賃収入を30年ローンの支払いに充てることができます。

たとえば、2つの物件のうち1つは自己資金を半分と残りをローンで購入したとしましょう。もう片方は全額、融資を受けて購入したとします。この場合、半分資金をつぎ込んだ物件の方が利回りが良く返済も早く終わるので、残りの物件のローン返済に家賃を充てることが可能です。このように返済計画を分散させることで、リスク軽減と投資効率の上昇につながります。

まとめ

マンション経営で分散投資することの重要性について解説しました。リスクにはさまざまな要素があります。それぞれの要素を上手に組合みわせてリスク回避と、利益につなげていくことが不動産投資にとって最も重要です。