元手はどのくらいかかる?アパート経営を始めるのに自己資金はいくら必要か

「アパート経営を考えているのだけれど、いったいどれくらい元手があればいいのだろう?」と疑問に思っているみなさんへ、どの程度の元手があれば安定したアパート経営がはじめられるのか、解説していきます。

アパート経営をはじめる元手はどのくらい必要?

アパート経営をはじめるには、ある程度の元手があった方がいいでしょう。元手となる自己資金があればアパートの利回りが高くなりアパート経営が楽になります。しかし、なかにはまったく元手となる自己資金なしでアパート経営をはじめている人もいます。

自己資金なしでどうやってアパート経営がはじめられるのでしょう。自己資金なしでアパート経営をはじめる方法としてフルローン融資を利用する方法があります。フルローン融資とはいったいどういうものなのか以下で詳しく解説しましょう。

自己資金ゼロではじめられるフルローン融資

フルローン融資とは、アパート経営に必要な物件の頭金を含めた全額を融資でまかなうローンです。アパート経営に必要な初期投資の全額をフルローンで融資してくれる金融機関があれば、元手ゼロの状態からアパート経営がはじめられます。

フルローン融資のメリット

フルローン融資の最大のメリットは、自己資金を投入せずに不動産投資が行えるのでレバレッジ効果が高いという点にあります。

「レバレッジ効果」というのは「テコの原理」という意味です。少ない資金、またはゼロ資金で大きな効果をもたらすという意味になります。フルローン融資を活用したアパート経営では、自己資金を投入せずに収益性を高めることが可能です。

アパートの経営に慣れている人でしたら良い物件を見つけ出して、元手に自己資金をつぎ込むことなく高利回りでアパート経営が行えるかもしれません。

フルローン融資のデメリット

フルローン融資を受けてアパート経営をはじめた場合、キャッシュフローの利回りが極端に低い状態になります。

たとえば、自己資金100%でアパート経営をはじめた人がいたとしましょう。その一方で自己資金ゼロでフルローン融資を受けてアパート経営をはじめた人がいたとします。アパートの年間利回りが5%だった場合、100%自己資金ではじめた人はそのまま年間利回りの5%が利益になります。

しかし、フルローン融資を受けてアパート経営をはじめた人は、融資の返済があるため、実際にはほとんど利益のない状態が続くでしょう。

毎月のローン返済は経費として計上できません。税制面での優遇がないのです。事業経営のすべてに共通していることですが、融資を受けた金額には所得税がかかりません。逆に融資を返済したからといって、返済額にはなにひとつ税制面での優遇が受けられません。

ギリギリの利回りでアパート経営を続けたとしても、時間経過とともに空室率が高くなり、大規模な修繕が必要になってきます。いつかは耐用年数を迎えアパートの減価償却費がゼロになるでしょう。そうなると会計上の利益計算に大きな問題が生じることになります。

アパート経営をはじめる元手!現実的にはどの程度あれば安心?

一般的に安定したアパート経営を続けるためには、初期投資額の3割程度の自己資金が必要だといわれています。

1500万円の物件でアパート経営をはじめる場合には、自己資金が500万円ほど必要になるということです。3000万円のアパートでしたら自己資金は1000万円ということになります。

アパートが立地する場所など、さまざまな条件によって自己資金の比率は変化するでしょう。高い利回りのアパートでしたら、自己資金比率を下げても利益が残るケースもあります。逆に利回りの低いアパートの場合は、自己資金比率を増やして毎月のローン返済額を少なくするなどの対策が必要です。

まとめ

今回はアパート経営にはどのくらいの元手が必要なのか解説してきました。元手となる自己資金ゼロでもアパート経営ははじめられます。しかし、キャッシュフローの利回りが極端に悪くなるのでオススメできません。安全なアパート経営のためには初期投資額の3割程度の自己資金を用意しておくことが望ましいといわれています。