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ここでは、不動産物件を売却する場合に知っておくべき項目や売却の流れについて解説していきます。より有利な条件で物件を売却するための基礎的な知識や項目、売却をスムーズに進めるための手順などをまとめました。

不動産物件の売却・これだけは知っておきたい基礎知識

物件の査定は何が基準になっているのか

・収益還元法による査定

不動産物件を売却する際に知っておかなくてはならない知識として、物件査定に関する内容があります。
一般的に不動産投資を目的にして購入されたマンションやアパート物件は、「収益還元法」で価格が査定されます。収益還元法というのは、現在の物件価格ではなく、これから未来にどのくらいの収益を生み出す物件なのかを重視した査定方法です。

「収益還元法」では、この先10年くらいのスパンで生み出される収益を予想して査定価格を割り出します。都心部からはずれた高齢化が加速しているエリアでは、現在の物件価格が高くても、若者の減少などが考慮されて悪い評価になる可能性があります。

逆に都心部などの入居率や家賃収入が安定している物件の場合は、築年数に関係なく高値で査定されることがあります。場合によっては購入した価格よりも高い査定額になる場合もあります。

・空き室状況による査定

不動産物件の査定で最も重視されるのが部屋の空き状況です。物件を売却する時点での空き室率が評価されることはもちろんのこと、現時点での入室状況が悪くても、数年間の入室退室実績のデータがあれば評価の参考になるので、売却の交渉を行う際には用意するようにしましょう。

数年間の入室退室実績のデータでは、平均的な居住年数なども評価対象になります。極端に入室と退室の帰還が短い場合は、物件自体の問題が疑われます。
また、周辺の同じタイプの物件と比較した入室率なども評価対象になります。物件を売却する際には、「購入する側にいかに安心感を与えるか」「利益を生み出す物件だと思ってもらえるか」がポイントになります。

・物件の状況

中古の不動産物件では、経年劣化による劣化具合が評価を大きく左右します。建物の外壁をこまめに塗装している、または、タイル張りにしている鉄筋コンクリート造の場合は、そうでない物件よりも建物自体の寿命が長くなるので、良い評価が受けやすくなります。共用部の手すりなどを、定期的に塗装している、破損部分をこまめに修繕している物件なども同じく評価されやすいでしょう。

また、表面的な問題だけでなく構造体自体の老朽化なども評価対象になります。メンテナンスを行っている場合は、その工事の詳細などを示すデータがあれば、価格交渉を有利に進めることができます。

不動産物件を売却するタイミング

不動産物件を売却する際にはタイミングが大きなポイントになります。経年劣化によって大規模な修繕工事が必要になる場合は、その前に売却するという選択肢もあります。莫大な工事代金が発生した場合は、利回り率が急激に低下することも考えられます。その前に売却することがベストタイミングかもしれません。

また、物件の法定年数が構造によって決まっているので、融資額の残債務が物件価格を上回る前のタイミングも売却を検討する時期です。物件の状況にもよりますが、一般的には15年前後で売却するのがベストタイミングとされています。

不動産物件の売却の流れ

売却の検討

不動産物件を売却する場合には、税理士や不動産鑑定士などの専門的なサポートが必要になります。信頼できる不動産管理会社などと相談して、条件の良い売却が行えるように検討してください。

不動産物件の査定

不動産会社へ物件の査定を依頼します。

先述しましたが、査定は空き室状況やこの先10年間の収益予想などが評価対象になります。有利な査定が行われるようメンテナンス工事のデータや数年間の入室状況などをまとめたデータを用意して価格交渉に臨みましょう。

仲介する不動産会社との媒介契約

売却が決まったら、仲介してくれる不動産会社と媒介契約を結びます。

買主との売買契約

買主との契約条件が合意したら、売買契約を結びます。この契約では重要事項説明書の説明と売買契約書を取り交わして、契約の締結となります。

不動産物件の引き渡し

契約時に決定した物件の引き渡し日までに、抵当権の抹消手続きを行い、固定資産税納付書・権利証・印鑑証明書などの書類を用意して、買主への引き渡しを行います。

まとめ

今回は、不動産物件を売却する際の基本的な知識や手順などを解説してきました。

物件を売却する際に有利になる入居率のデータ、メンテナンス工事のデータをそろえることや、どの項目が査定の基準になっているのかを把握して、スムーズに売買手続きが行えるようにしてください。