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売却も視野に入れたマンション経営〜損益分岐点とは何か〜

損益分岐点という言葉はマンション経営だけにとどまらず、あらゆる事業や商売で使われます。損益分岐点というのは文字のごとく、利益がでるかそれとも赤字になるかの分岐点のことです。今回は、マンション経営における損益分岐点とは何なのか、また、損益分岐点が物件売却のカギとなるのはなぜなのか詳しく解説します。

マンション経営における損益分岐点とは

マンション経営における損益分岐点は、商売や事業における損益分岐点と同じです。基本は利益から経費を差し引いた金額がプラスになるかマイナスになるか。そこが損益分岐点ということになります。

マンション経営における損益分岐点は利回りで判断することが可能です。利回りは物件の稼働率やローンの支払い条件に応じて変化します。

たとえば、マンション経営をはじめるために物件を3千万円で購入したとしましょう。そのうち頭金が300万円、残りの2700万円はローンとします。物件の表面利回りは6%、年間の家賃収入は500万円。

この場合、金利2.0%、返済期間を20年に設定して、毎年のローン返済額は約160万円となります。家賃収入の500万円からローンの返済額と経費を差し引いた金額が200万円だとして、ローンの支払いが終了する20年後までの収益は4千万円です。これだと1千万円の利益が出る試算になります。

ところが、物件の表面利回りが4%まで落ち込み、年間の家賃収入が400万円だとしましょう。この場合でも、毎年のローン返済額は約160万円と変わらないので、経費を差し引いた残りの金額が年間150万円。ローンの支払いが終了する20年後までの収益は3千万円となり、投資した3千万円と同額です。損はしていないけれども儲かってもいないということになります。これではマンション経営をする意味ががありません。

この物件の場合の損益分岐点は年間の家賃収入400万円ということになります。400万円を下回るようになると赤字です。この計算には家賃の下落が加味されていないので、実際にはもっと厳しい数字になるかもしれません。

都心の長持ちする物件を購入することが最大のポイント

上記の試算では、ローン支払い期間中の損益分岐点でした。しかし、法定耐用年数の長いマンションの場合は、ローンの支払い期間が終了したあとも家賃収入が得られます。20年目以降はローンがないため、利回りもぐんと高くなるはずです。

たとえ、15年目からの家賃収入が損益分岐点を下回る400万円以下になったとしても、20年目からは利回りが高くなるため、赤字から黒字へ転換します。

15年目から20年目までの赤字分は20年目以降に取り戻せる可能性が高いでしょう。ただし、鉄筋コンクリート造のような長持ちする物件であることが条件です。

さらに、都心にある物件の場合は利回りとは別に、相続税対策やキャピタルゲイン目的で入手したいという希望者が多いため、売却しやすいというメリットがあります。

売りやすい物件の条件は?

ズバリ!売りやすい条件は、値下がりしにくい物件ということになります。値下がりしにくい物件とは、利回りの高い物件です。利回りが高ければ、早い段階で損益分岐点を迎えることができます。損益分岐点の時期を過ぎれば、適当な時期に売却するという選択肢もありますし、そのまま持ち続けるという選択肢もあるでしょう。

また、長持ちする物件であることも売りやすさの条件になります。上で解説したとおり、鉄筋コンクリート造の場合は、法定耐用年数が47年です。丁寧に使えば60年以上持ちます。

たとえ、売らずにそのまま所有したとしても、後半はローンの支払いがない分、利益率が高くなります。マンションが古くなり、部屋の状態が時代にそぐわなくなってきたら、定期的にリフォームするなどして、入居者が入りやすいように工夫できます。ローンの支払いがない分、経費を修繕やリフォームにまわせるはずです。

まとめ

今回は、マンション経営における損益分岐点について解説してきました。損益分岐点ギリギリか上回るケースで解説しましたが、大幅に下回る場合には、損害を大きくしないために早く手放すという選択肢も考えられます。物件を購入するなら都心の法定耐用年数の長い鉄筋コンクリート造のマンションがオススメです。