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理解するべき経費、減価償却費とは

減価償却費は不動産物件のみならず、車やパソコンなどあらゆる商品に適用されます。今回は不動産投資を行う上で欠かせない項目「減価償却費」についてわかりやすく解説していきます。「減価償却費」は経費として計上できるため、不動産投資においては重要なポイントです。

減価償却費って何?

車に例えて説明すると減価償却費のことがわかりやすく伝わるのではないでしょうか。例えば、あなたが200万円で新車を購入したとしましょう。200万円というのは購入時の価格(価値)です。1年経つと価値がさがり、150万円もしくは100万年ほどに目減りしているかもしれません。

車は年に30%ずつ値下がりすると言われれいます。つまり8年から10年ほどであなたが200万円で購入した車の価値は0円になります。当初は200万円だった資産価値が毎年目減りして10年ほどで0円になります。この目減りした部分が減価償却費となります。車でしたら毎年約30%の減価償却費(経費)が発生します。

車はもちろん、パソコンにも家にも耐用年数が設定されています。耐用年数とは使用可能な年数のこと。使用方法によって耐用年数は変化するため不動産物件の場合は、法律で耐用年数を規定しています。法律で規定した耐用年数のことを法定耐用年数といいます。

当初は200万円で購入した新車も、毎年減価償却されて耐用年数を迎える頃に価値が0円になります。毎年価値が目減りするため減価償却費は税務上「損金」という扱いになります。損をしているのですから経費として計上し課税所得から差引けるというわけです。

減価償却費は経年劣化により毎年価値が目減りしていくものにだけ発生します。不動産物件の場合、建物には減価償却費が発生しますが土地には発生しません。土地は経年劣化しないからです。

不動産投資における減価償却費

不動産の場合は、当初の購入額を耐用年数(使用に耐える年月)で割ることで毎年の減価償却費が割り出せます。建物価格が1000万円の木造建築の場合、耐用年数が22年なので1000万円÷22となり、毎年約455,000円ずつ減価償却費が発生します。毎年455,000円が課税所得から差引ける経費となります。

建物価格は、不動産物件の購入金額から土地の代金を差し引いた額です。

  • 不動産物件の購入金額:3千万円
  • 不動産物件の固定資産税評価額:2,000万円
  • 建物の固定資産税評価額:800万円

だった場合、建物の評価額は、3千万円×(800万円/2000万円)=1,200万円となります。

建物が鉄筋コンクリートの場合耐用年数は47年なので
1,200万円÷47=255,300円の減価償却費が毎年計上できるわけです。

減価償却費は不動産投資の3大経費

不動産物件の3大経費に固定資産税、借入金利、減価償却費があります。特に減価償却費は全経費のかなりの部分を占めており、場合によっては全経費の半分を占めるケースがあります。

減価償却費は税制上では「損金」という扱いになります。実際には出費をしていないけれども、毎年損をしているとみなされます。出費がないのに経費として計上できるため、有効な節税対策になります。

新築物件の減価償却費

新築物件の場合は、建物価格を耐用年数で割ることで毎年の減価償却費が導きだせます。耐用年数は建築構造によって以下のように分類されます。

  • 鉄筋コンクリート造:耐用年数47年
  • 鉄骨造:耐用年数34年
  • 木造建築:耐用年数22年

中古物件の減価償却費

【法定耐用年数をオーバーしている物件の耐用年数】

耐用年数の計算式は

「法定耐用年数×20%=中古物件の耐用年数」

となり

鉄筋コンクリート造で耐用年数をオーバーしている価格5千万円の場合は

47年(法定耐用年数)×20%=9年(耐用年数)となり

減価償却費は

建物価格÷9=560万円(毎年経費として計上できる減価償却費)

となります。

【法定耐用年数の一部を経過している物件の耐用年数】

耐用年数の計算式は

「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%=耐用年数」

となり

鉄筋コンクリート造で経過年数10年の中古物件、価格1億円の場合は

(法定耐用年数「47年」-経過年数「10年」)+経過年数「10年」×20%=耐用年数

(37年)+2年=39年(耐用年数)となり

減価償却費は

建物価格(1億円)÷39=260万円(毎年経費として計上できる減価償却費)

となります。

まとめ

今回は不動産投資でとても重要なポイントである減価償却費について解説しました。
どんな商品でも経年劣化によって毎年価値が目減りしていきます。目減りした分は税制上「損金」とみなされます。それが減価償却費です。

不動産投資では減価償却費を上手にコントロールすることで税金もコントロールできるといわれています。しっかり理解して税金対策に役立ててください。