不動産投資を開始し、利益を出すことに成功したら確定申告を行う必要があります。20万円未満の利益でしたら確定申告を行わなくてもよいのですが、20万円以上の利益は納税の義務が発生するので、確定申告で税額を確定し、その後に納税を行います。では納税の前段階になる確定申告の流れを見ていきましょう。
1. 確定申告の時期とは
確定申告は毎年2月16日から3月15日までの1ヶ月間、税務署に書類を提出し、税額を確定させます。平日しか税務署は空いていないので、サラリーマンが自分で確定申告を行う場合は有給を取る必要があるでしょう。
特に3月15日前の1週間は混雑するので、初心者ほど、ゆっくり話を聞きやすい2月中に行くようにしましょう。
2. 青色申告と白色申告の違い
不動産の確定申告には白色申告と、青色申告の2種類があります。
簡単なのは白色申告ですが、青色申告は10万円の控除が受けられるメリットがあります。さらに10室5棟規模以上の不動産を所有していれば、事業規模を持つと認められ、65万円の控除が認められます。また所得のない親族に給与を与えて節税することもできるようになります。また赤字が出た場合は3年間の繰越が可能なので、翌年の利益を減らすといった節税対策にも有効です。白色申告にはない数々のメリットがあるのです。
白色申告は複式簿記の義務がありませんが、青色申告は複式簿記を行う義務があります。
3. 確定申告に必要な書類
まずは税務署に行って確定申告に必要な数字を記入する「確定申告書B」をもらってきます。この書類は税務署に行かなくても国税庁のホームページからのダウンロードも可能です。
白色申告はシンプルな確定申告になるので、確定申告書B以外には収支内訳書と控除を受けるための書類を提出するだけで大丈夫です。
収支内訳書は現金出納帳を買ってきても良いですし、Excelで何月何日にあった収入、支出を時系列で書いていけば大丈夫です。
控除関係の書類は、医療費や生命保険料の支払いを記載したハガキなどになります。
青色申告は複式簿記の必要性があるので、簿記の知識がない人にはやや敷居が高いです。また青色申告の書類を出す前には、青色申告承認申請書を提出しなければいけない等手間もあります。これは事業者であるということを申請する書類です。
白色申告と同様の「確定申告書B」と「収支内訳書」そこに加えてさらに「所得税青色申告決算書(不動産所得用)」が必要です。経費となる領収書や納税証明書に関する書類は提出しなくても良いですが、7年間の保管義務があるので、提出が求められた時のために、必ず保管をしましょう。これは白色、青色共通です。
平成26年から白色申告も青色申告同様の保管義務ができたために、白色申告のメリットは薄れつつあります。
できれば青色申告に最初から取り組んで、確定申告の流れを覚えると共に、節税にも同時により組んでいきましょう。
4.実際の確定申告の流れ
確定申告を行うには
- 税務署の場所や連絡先、そして確定申告時期といった情報の収集
- 確定申告に必要な書類の収集(領収書、収入に関するもの控除関係の書類など)
- 青色申告の場合はできるだけこまめに記帳を行っておく
- 確定申告に必要な記入書を税務署などから手に入れる
- 書類を作成し、税務署に提出する。e-taxというネット経由で確定申告ができるサイトもあるが、初心者の場合は税務署で直接職員に聞きながら作成をしていったほうが間違いも少ないです。もちろん慣れてくれば、e-taxの方がデータの流用も可能なので、手間を省けます。
- 書類に不備があった場合は再度作成し、税務署に提出する。そのため不備ないように、できるだけ内容に気をつけて、提出前には書類を何度も見返しましょう。
まとめ
自分が簿記の知識があったり、経理関係の部署に勤めていたりしない限り、多くの人にとって初回の確定申告は大きな負担に感じることでしょう。
しかし、税金に関する正しい知識を身につけておくことは、後々の節税対策にもつながりますし、効果的な投資を行ってキャッシュフローを確保するための知識にもつながります。
まずは自分で確定申告を行って、流れを理解しましょう。そして事業規模が拡大してきたら、作業に書ける時間や手間と、委託費用ののバランスを考えて、税理士に委託したり確定申告用のソフトを使ったりするなどの方法を考えていきましょう。