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アパート経営における敷金・礼金の決め方と相場を紹介

アパートやマンションの部屋を借りるとき、お家賃以外に敷金と礼金の費用が高くついて驚いたことはないですか?

家賃の何カ月分もの敷金、礼金にいたっては退去時に返してもらえない。いったいこの敷金と礼金はどのようにして決められているのでしょうか、各都市によって相場に違いがあるのでしょうか。相場をふまえた敷金礼金の設定方法や、アパート経営で入居者を獲得するための資金礼金対策について考えてみましょう。

敷金と礼金の相場は?都市によって異なる?

敷金や礼金の相場は都市によって異なるといわれています。一般的に東京では家賃の1.6カ月分の敷金と家賃の1.4カ月分の礼金が平均です。それに対して関西の大阪では家賃の3.2カ月分が敷金、家賃の 2.6カ月分の礼金が平均という調査結果(国土交通省「民間賃貸住宅に係る実態調査」)がでています。

福岡では家賃の3.3カ月分が敷金、 0.0カ月分の礼金という調査結果でした。九州や沖縄、北海道といった地方都市ではほとんど礼金がないのに対して、関西では礼金の額が高い傾向がみられます。

関西圏や中部、九州地方にには敷引(しきびき)という項目があります。敷引とは、入居時に家賃の3カ月から5カ月分の預かり金を徴収して、退去時に償却(差引)分を返還する制度です。各地方都市の商習慣によって礼金や敷金、敷引といった制度に特徴や変化がみられます。

敷金と礼金なしの物件が増加している

最近は入居者をより多く獲得するために敷金礼金ナシというアパートやマンションが増加しています。この傾向は関東関西関係なく全国的な傾向のようです。

単身者用のワンルームや1Kの物件が多く、敷金や礼金をゼロにすることで初期費用を抑えて入居しやすくする環境が整いつつあります。とくに関東の首都圏では敷金礼金ゼロの物件数が顕著に増加している状況です。

敷金と礼金なし物件でトラブルを防ぐために

敷金礼金ゼロの部屋は、個別に費用がかかります。たとえばカギの交換や退去時に問題がある場合には違約金が発生するケースも。そのため思わぬトラブルに発展しかねません。

また、敷金と礼金をゼロに抑えている分、家賃を高めに設定しているケースも見受けられます。敷金と礼金がないからといって必ずしも経済的であるとはいえません。

アパートやマンションへの入居時には、その地域の家賃相場なども把握した上で契約を結ぶことが大切です。目先の敷金礼金ゼロにまどわされるのではなく、長期的な視野でメリットとデメリットを見きわめるようにしましょう。

入居者を獲得するための敷金礼金対策

周囲の家賃や敷金礼金の相場をしっかりマーケティングした上で、自分が経営するパーアートの家賃や敷金礼金を見直すことが重要です。

周囲の家賃相場よりも数万円も高い。敷金礼金を相場よりも1カ月分余分にもらっている。そのような状況では、よほど良い物件でない限り入居者は集まらないでしょう。家賃や敷金礼金を下げたくないのでしたら、入居者が魅力を感じる部屋にリノベーションするといった対策が必要です。

家賃はいったん下げてしまうと上げるのは至難のワザ。家賃ではなく、敷金や礼金を1カ月分少なくするといった入居者獲得対策が考えられます。また、更新料を無料にすれば、長く住み続けてくれるでしょう。

ただし、敷金礼金をゼロにしてしまうと、短期間の入居者が増加してしまうおそれがあります。部屋の退去率が高くなり、かえって空室が増加することになりかねないので、敷金礼金ゼロは慎重に検討するようにしましょう。

まとめ

今回は、敷金や礼金の相場、設定方法について解説してきました。家賃以外にかかる敷金や礼金は入居者にとっては大きな負担になります。そのため入居者獲得のために資金礼金ゼロの物件が増加しています。ただし、敷金礼金ゼロの物件にもデメリットがあります。入居する場合は長期的な視野でメリットとデメリットを考えて判断するようにしましょう。アパート経営のオーナーは、周辺の家賃や敷金礼金の相場をしっかりマーケティングして、相場にそくした額に設定るすることが重要です。