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ついに来年オリンピック!今後の不動産価格の傾向と変動を解説

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて、不動産業界はにわかに活況を帯びています。不動産業界の間で今ささやかれているのが「2020年問題」と「2025年問題」です。これから不動産価格はどうなっていくのか解説します。

東京オリンピック・パラリンピック開催までの不動産価格の動向

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて公共投資が活発になっています。それをけん引しているのが、オリンピック会場や選手村といったオリンピック・パラリンピックに直接関係するインフラ整備事業です。

オリンピック・パラリンピック会場の競技場や選手村の建設が急ピッチで進められ、現場で働く労働者の人件費や建材費なども高騰しています。また、オリンピック・パラリンピックの需要を見込んで会場周辺のマンション物件も値上がりしているようです。

都心部の不動産物件の値上がりに拍車をかけているのは、海外の「キャピタルゲイン(売却益)」を目的とした投資家です。都心の臨海エリア、特に中央区や品川区には、既に飽和状態に近いマンション物件が多数存在しており、投資対象は都内全域にまでおよんでいます。

都心部の不動産物件の値上がりは、オリンピック・パラリンピックが終了するまで続くでしょう。オリンピック・パラリンピックが終了すれば、公共投資も海外投資家の購入も下火になると予想されています。

東京オリンピック・パラリンピック終了後の不動産価格の動向

ここではオリンピック・パラリンピック終了後の「2020年問題」と「2025年問題」について解説していきます。

2020年問題

「2020年問題」とは、東京オリンピック・パラリンピックの終了後、オリンピック関連の公共投資がなくなり、値上がりを続けていた都心部の不動産価格が値下がりに転じると危惧されている問題です。

「2020年問題」の要因として考えられているのが、「キャピタルゲイン(売却益)」目的で投資を行っている海外投資家の存在です。これらの海外投資家は、東京オリンピックに向けて値上がりし続ける物件を購入し、オリンピック前のピークに達した段階で売却して収益を出そうと考えています。

当然、都心部の不動産価格は全体的に大きな影響を受けるはずです。公共事業なども減り、雇用にも景気にも悪影響をおよぼしかねません。不動産業界では2020年を待たずして値下がりに転じる恐れもあると危惧しています。

2025年問題

「2025年問題」というのは、日本が本質的に抱える社会的な構造に起因する問題です。少子高齢化が加速し、人口減少と社会保障費の急激な上昇によって、経済活動やひいては社会全体の活力が減退していくのではないかという危機感が広がっています。

若者を中心とした人口の減少、反比例する認知症患者の増加、医療費の増加など、高齢化社会を迎えて明るい未来予測ができづらい状況です。ただし、これは日本全体をマクロ的な視点でとらえた場合の危機感であって、都心部においては、少し状況が異なるのではないかという意見もあります。

長期的に見た不動産価格の動向

「2020年問題」で危惧されている海外投資家の引き上げによって生じる不動産価格の下落については、多少覚悟しておく必要があるでしょう。ただし、東京オリンピック・パラリンピックに向けて行われているインフラ整備は、その後も生き続けるため、都心への一極集中の流れを加速させることになるかもしれません。

「キャピタルゲイン(売却益)」を目的にした不動産投資ならば、オリンピックが開催される前後にタイミングを見計らって売却した方が良いでしょう。しかし、長期的な視野で着実な不動産投資を考えているのでしたら、そのまま持ち続けるという選択肢もあります。むしろ、堅実な不動産物件の運営を考えるなら、オリンピック終了後の方がチャンスと言えるでしょう。

まとめ

オリンピックの前後で不動産価格がどう変動するのか、考えられる材料をもとにして解説してきました。地方都市では空き家問題が深刻化していますが、都心においては同じ土俵で論じることはできません。オリンピックに向けたインフラ整備によって都市間の競争力が増し、都心への一極集中の流れが加速すると予想されています。オリンピックが終了した後こそが不動産投資のチャンスかもしれません。