不動産投資の規模が大きくなり、収益が一定レベル以上になると法人にした方が税制面などで有利です。
今回は、どの程度の収益になれば法人にした方が良いのか?個人と法人で使える経費の違いについて解説していきます。法人にするメリットやデメリットについてもご紹介します。
個人から法人へ切り替えるタイミングについて
あるレベル以上になると法人の方が税制面で有利?
個人と法人とでは収益にかかる税率が異なります。個人でそこそこの収益に抑えて不動産投資を行っている場合は、法人よりも低い税率になるでしょう。しかし、一定レベルを超えると個人の税率よりも法人の方が安くなります。
法人の税率は、最大で23.2%と一定の税率が設定されています。
資本金1億円以下の法人で、800万円以下の所得だった場合税率は15%にまで軽減されます。15%から多くても23.2%以内の税率ということになります。
法人に対して個人の場合は超過累進課税が適用されています。累進課税とは収益に比例して税率がアップしていく仕組みです。
収益の少ないうちは個人の方が得です。しかし、1800万円以上になると40%の所得税が課せられ、4000万円以上になると45%の所得税がかかります。
収益が伸びていくにつれて、個人の所得税よりも法人税の方が節税対策になります。法人税はここ数年下がり続けています。
2015年の税制改革では25.5%から23.9%になり、2018年以降は、 中小企業(中小企業以外の普通法人)収益年間800万円以下の場合:19(15)%、年間800万以上の場合:23.2%、中小企業(中小企業以外の普通法人):23.2%となっています。
個人で不動産投資を行ってきて、これからは事業を拡大させようと考えておられるのでしたら、法人格を検討した方が良いでしょう。
個人から法人に切り替えるタイミングは?
法人に切り替えるタイミングは、500万円から900万円の間だといわれています。はっきりとした金額が示せないのは、ケースバイケースで税率が変化するからです。
法人格で収益が600万円あがりそこから自身の役員報酬として600万円を支払った場合、600万円まるごと給与所得控除として計上できます。その分法人税も安くなります。
課税率はさまざまな要素が反映されるので、目安の500万円から900万円の域に入ったら、専門的な知識のある税理士さんなどと相談するようにしてください。
法人格のメリットとデメリット
法人にするメリット
個人と法人では計上できる経費の内容が異なります。例えば、法人格になれば、自身への報酬や仕事を手伝ってもらった家族への役員報酬を収益の中から支払い、経費として計上できます。自身への報酬や役員報酬にも税金が課税されますが、分散させることで税率が低くなり、節税対策になります。
退職金の積み立てや、保険金にあてる費用を収益の中から差し引いて経費として計上することも可能です。特に退職金の積み立ては損金扱いとなり法人の課税所得を少なくする効果があります。
また、法人ということで社会的な信用度が高まります。融資が受けやすくなったり、個人とは取引をしない企業とも取引ができるようにななります。法人化することで税金対策だけではないさまざまなメリットが生じるわけです。
法人のお金は社長のものではない「法人にするデメリット」
個人の場合は、税金を差し引いた収益はすべて本人のものになります。しかし、法人では税金を差し引いた収益は法人の余剰金とされ、法人代表であっても自由に使うわけにはいきません。自由に使えるのは役員報酬として支払われる給与のみです。
役員報酬を増やして自由に使えるお金にすればいいという意見もありますが、それをすれば役員報酬に多額の所得税がかかり、税金対策のために法人化した意味がなくなります。
まとめ
法人化すべきかどうかのライン、個人と法人の経費の違いについてご紹介してきました。
個人で不動産投資を行って収益が500万円から900万円の間に達したら、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。収益が増えるにつれて、個人と法人の間で税額の開きができてきます。
メリットとデメリットを考えながら法人化するタイミングをはかるようにしましょう。
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