買い?売り?来年の東京オリンピックに向けた不動産投資の傾向を解説
2020年の東京オリンピックを控え、都心部の特に臨海エリアの不動産物件に注目が集っています。また2020年の東京オリンピック開催とその後の動向について、不動産業界ではさまざまな憶測が飛び交い、どれを信じていいのかわからない状況です。不動産投資のこれからを分析してみました。
2020年問題について
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、特に都心部においてマンション物件の価格が上昇しています。この状況がオリンピック終了後も続くのか、それとも下落に転じるのか、不動産業界にとっては大きな問題です。
おそらく、オリンピック・パラリンピックの開催までは、物件価格の上昇は続くと考えられます。その要因になっているのが海外投資家の存在です。東京の不動産物件は海外の香港やシンガポール、ニューヨークといった都市に比べて低い価格で推移しており、オリンピックに向けて上昇していく必然性を備えています。そのことが海外投資家の人気を集める要因です。
人気の高いエリアは、東京湾に浮かぶ豊洲や臨海部周辺で、東京オリンピック・パラリンピックの競技場や選手村にあたります。この地域では急ピッチでオリンピックのためのインフラ整備が進行しており、利用が見込まれる周辺のマンション価格も上昇している状況です。
特に中央区にはワンルームタイプの中古物件が飽和状態に達するほど存在しており、香港やシンガポールといった振興国の中間層に人気があります。また、海外投資家に人気があるのは臨海エリアだけではありません。新宿や丸の内周辺、品川などの物件にも注目が集まっています。
都心の臨海エリアでは、マンションンの建設ラッシュが続いており、現場で働く作業員の人件費はもとより、建材費なども値上がりしている状況です。
オリンピック・パラリンピックに向けて値上がりを続けている不動産物件が、オリンピックの開催を境にして、値下がりに転じると予想されています。この予想の要因になっているのも、海外投資家の存在です。「キャピタルゲイン(売却益)」をねらった海外投資家が、オリンピック終了後には一斉に売却して、売却益を得ようとするのではないかと予想されています。
さらに、2020年問題の想定には、日本が抱える根本的な社会問題も影響しています。つまり少子高齢化の加速です。2020年以降も不動産物件が上昇していくであろうと予測するための材料が少なすぎる、マクロ的なマイナス要素が重なり過ぎています。このような状況の中、はたして、想定が現実のものとなるのかどうか、以下で分析して行きましょう。
2020年の東京オリンピック終了後はどうなる?
オリンピックの開催を抜きにして、都心部の不動産物件は、需要の絶対数が安定した増加傾向にあります。都心部のみならず、周辺部の1都3県全体で土地の価格は上がり続けている状況です。
海外投資家の「キャピタルゲイン(売却益)」をねらった売りぬけ問題以外に、都心部の物件価格が下落する要素は見つかりません。また、政府による外国人労働者の受け入れ拡大で、外国人の人口は確実に増加するでしょう。
さまざまな要素を複合的に見て判断した場合、今後も都心の物件の需要は高まり続けるはずです。2020年のオリンピックを控えて「キャピタルゲイン(売却益)」目的で不動産投資を行うのなら、まさに今が買い時といえるでしょう。
しかし、長期的な視野で物件の運営を考えている人にとっては、むしろ、東京オリンピック・パラリンピック開催後こそが不動産物件の買い時と言えるでしょう。
東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、交通網、無線LANなど、社会インフラ整備が充実してくる都心部。これは日本の他の都市との競争力、住みやすさの差別化にもつながります。東京オリンピック・パラリンピックの開催は、都心への一極集中化を加速させる要因になるかもしれません。
まとめ
東京オリンピックに向けた不動産投資の傾向について解説してきました。これからの未来を考えるとき、よく過去の東京オリンピが引き合いに出されます。しかし、前回の東京オリンピックは経済発展途上に開催されたこともあり、今とは状況が異なり参考になりません。2020年のオリンピック以降の不動産投資の動向については、長い視野に立って価値判断することが求められています。
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