不動産投資で利益の目安になるのが利回り率です。ここでは利回りについての解説と、どんな物件だったらどのくらいの利回りを得られるか、相場などについて解説していきます。

利回りとは、簡単に言うと投資額に対して、どのくらいの利益が得られるのかの指標です。不動産に投資して儲かるか損をするかの重要な指標になるので、しっかりと計算をして把握しておきましょう。

不動産利回りには表面利回り・実質利回り・想定利回りの3つがあります

表面利回り

表面利回りとは、物件の部屋数に応じて単純に計算した利回り率になります。物件情報などには多くの場合で表面利回りが掲載されています。計算式は

「年間の利益÷購入価格=表面利回り」で表されます。

例えば、土地と建物の購入費が5千万円のアパートだとしましょう。
その場合の表面利回りは

年間の利益÷5千万円となります。年間の利益が5百万円だとしたら

5百万円÷5千万円=0.1となります。0.1を100倍した率が表面利回りです。
この場合では10%の表面利益率になります。
表面利益率は、利益の概要がわかるのでよく利用される計算式です。

想定利回り

想定利回りとは、満室の状態で利益率を計算した利回りです。計算式は

「年間の利益÷購入価格=想定利回り」となります。

想定利回りは売主が想定して利回りを試算する際に使用する計算です。
物件をよく見せるために希望的な観測で利回りを割り出していることが多く、不動産投資で発生する経費を入れずに計算していることも考えられます。

買主側にとってはあまり参考になりません。不動産投資の際は以上の計算式ではなく、以下で紹介する実質利回りの方を指標にするようにしましょう。

 

実質利回り

実質利回りとは、物件のメンテナンス費や修繕費などの積み立て金、維持費、管理手数料、火災保険料、不動産会社に支払う手数料などを年間収益から差し引いた額を購入費で割った実質的な利回りです。計算式は

「(年間の収益-年間の経費)÷購入価格」となります。

実際にかかってくる経費を差し引いているので、正確な利回りが割り出せます。「実質利回り」は、不動産投資を行う際の指標となる重要なデータです。

築年数の経った物件ほど利回り率が高くなる

表面利回りの計算式では、築年数を経た物件ほど、利回り率が高くなります。なぜなら、収益を割る物件価格が低下するためです。しかし、実際には築年数を経るにつれてメンテナンスや修繕費などがかさみ、また、入居率なども低下して収益が減るので、利回り率は徐々に放物線を描くようにして低下する傾向が見られます。

物件別の利回りだけでなく、時間経過にともなう収益の低下と修繕費などの高騰を予想して、トータルな利回りを計画立てて計算することが大切です。

都心部の築年数・物件別にみた利回り

都心部の区分マンションの収益が出る目安

都心部の区分マンションの利回り率としては、築年数20年までの物件で表面利回りが5%から6%の範囲内でしたら、収益が出るラインです。築30年から40年になると7%~8%で購入の検討をして良いラインだといわれています。

築年数15年以内と仮定して実質利回りで見た場合は、5.5%以上の利回りが物件購入の目安だといわれています。

都内の区分マンションの利回りの現状

都内の区分マンションの平均的な利回りは、新築物件の場合で4%~5%程度だといわれています。また、築年数20年までの中古物件で、平均利回りは5%~6%の間で推移しています。

築年数20年から30年の中古物件で7%~10%、これくらいの利回り率であれば、充分に収益が出せます。

物件別平均利回りの現状

  • ファミリーマンション:5%から8%(安定的に推移)
  • ワンルームマンション:10~15% (安定はしていないが利回り率高い)
  • オフィス(延床30,000㎡以上):5~6%
  • オフィス(延床2,000㎡以上):6~7%

 

まとめ

不動産投資で利益の目安となる利回りについて解説してきました。利回り率の計算式には、「表面利回り」と「想定利回り」「実質利回り」の3つがあるので、どの計算式で割り出した数字なのか物件購入の際には確認することが大切です。

今回の記事で都心部の不動産物件の場合、ほとんどで利益が見込める利回り率だということがわかっていただけたかと思います。不動産投資を検討しているという方は参考になさってください。